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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
COVID-19ワクチン ヤンセン(J&J)
(
2023/2/28 更新
)
Janssen/Johnson&Johnson, J&J, Ad26.COV2.S
ワクチン
はじめに
ヤンセン(J&J)ワクチンは,歴史的興味の対象ではあるが,現在では,非常に例外的な場合および初回接種のみに推奨されている.
米国では入手が困難である.
単価製剤のみ製造されている.
一般的なワクチン推奨,有効性,予防効果持続期間,選択および互換性については
COVID-19,ワクチン
を参照.
ワクチン
タイプ:非複製アデノウイルスベクターワクチン,単価.生SARS-CoV-2ウイルスを含んでいない.
ヤンセン(Johnson & Johnson)COVID-19ワクチン(Ad26.COV2.S)
mRNAワクチンでコードされたものと同じ先祖株スパイクタンパク配列を含んでいる.
接種
現在米国で承認または使用許可のあるCOVID-19ワクチン製剤:ヤンセン
適応年齢
ワクチン構成
初回連続接種
≧18歳
一価
用量
注射用量
5×10
10
ウイルス粒子
0.5mL
接種スケジュール(健常者)
現在では,初回接種または追加接種に関するCDC臨床ガイドラインに含まれていない
以前にどの種類のワクチンの追加接種もしていない,または最終の一価ワクチン追加接種から≧2ヵ月なら,初回接種コース1回を受けた人は,初回接種コース完了後2ヵ月で二価mRNA追加接種1回を受けなければならない.
ヤンセン(J&J)ワクチン追加接種は,18歳以上に対して,非常にまれな限られた状況で適応になる.
保管
以下のように保管
2~8℃で3カ月まで(移送から使用まで),-20℃で2年まで.
毒性
禁忌
過去のmRNAワクチン接種,または別個にワクチンに添加のポリエチレングリコール(PEG)またはポリソルベート投与でアナフィラキシーや即時型アレルギー反応(4時間以内)が起こったことがある
どのmRNAワクチンとも併用接種してはならない
ワクチン成分に対する明らかなアレルギーと診断された記録がある
過去にヤンセン(J&J)ワクチン接種後にギラン・バレー症候群(GBS)があった
過去にヤンセン(J&J)ワクチン(または,アストラゼネカワクチンのような,現在米国では許可されていないアデノウイルスベクターワクチン)接種後に血小板減少症に伴う血栓症(TTS)があった
警戒
他のワクチンのどれか,またはmRNA COVID-19ワクチン成分またはポリソルベートを含まない注射治療によって即時型アレルギー反応が起こったことがある
PEGを含むワクチンまたは注射治療に反応があった人
COVID-19ワクチンのあるタイプに関連したアレルギーは,他のCOVID-19ワクチンタイプへの警告となる.
GBSの既往.
禁忌でない場合
食物(卵,ゼラチンを含む),ペット,昆虫,生物毒,環境,ゴム製品,経口薬服用:ワクチンや注射に関係のないアナフィラキシーの他の既往.
副反応
TTSの発症は年齢30~49歳の女性では10万回接種につき1例だった.
年齢18~29歳の女性,50~64歳の女性,40~49歳の男性でも同様の発症率(10万回接種につき0.45例)となった:
N Engl J Med 384: 1964, 2021
.
現在のところアナフィラキシーのデータはなく,臨床試験での報告もない.
注射部位反応(痛み),倦怠感,頭痛,発熱,脱力感.
特に男性,50歳以上で,GBSの既往がある場合は可能なら避ける.100万ワクチン接種で約8例のGBSがみられた(通常では1.7例).
特に注意が必要な患者集団
妊婦
現在では,妊娠中の初回連続接種の選択肢にはリストされていない.
免疫不全/HIV
このワクチンによる初回連続接種を受けた≧18歳の免疫不全者は,単価mRNAワクチンによる第2回(追加)接種(≧4ヵ月あけて)および,追加接種の少なくとも2ヵ月後に二価mRNAワクチン追加接種(モデルナまたはファイザー/BionTec)を受けることが推奨される
中等症または重症の免疫不全状態であるとの自己申告は認められる
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2023/02/28