日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

A型肝炎-急性,治療および曝露後予防  (2020/9/23 更新)
治療


臨床状況

  • 急性のA型肝炎ウイルス感染.
  • 米国の多くの地域でホームレスにおける急性A型肝炎の流行が何度か起こっている-CDC HAN 00412
  • リスクが高い場合には,A型肝炎ワクチンの積極的な接種が推奨される.

病原体

  • A型肝炎ウイルス(プラス鎖RNAのピコルナウイルス)

第一選択

  • 治療は必要ない.支持療法.
  • 曝露後予防:
  • 曝露後2週間以内であれば:A型肝炎ワクチン

第二選択

  • IVIG 0.1mL/kgを予防的に1回筋注(曝露後2週間以内であれば)
  • IVIGは,重症の肝疾患がある血清検査陰性患者では,A型肝炎ワクチンより望ましい可能性がある.

コメント

  • 慢性C型肝炎にA型肝炎を重複感染した患者の40%が劇症型肝不全に進行する(N Engl J Med 338: 286, 1998).そのため,B型肝炎,C型肝炎を背景にもつ患者ではすべて,A型肝炎ワクチンを接種する.
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2020/09/23