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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
出血性熱性ウイルス-クリミア-コンゴ出血熱
(
2024/10/15 更新
)
臨床状況
クリミア-コンゴ出血熱はダニ媒介性ウイルス感染症(マダニ).
ウイルス血症の動物(主に家畜)の血液や組織に直接接触することで,ヒトに感染することもある.
疫学についての総説:
PLoS Negl Trop Dis 14: e0008094, 2020
自然経過
感染および潜伏(1~9日)
前出血期(1~7日)
出血期(2~>3日)
回復期(数日)
症状:悪心/嘔吐,発熱,頭痛,筋肉,めまい,首/背中の痛み,羞明,昏迷(1/3).
徴候:結膜充血,顔/首/胸部の充血,肝腫大,黄疸,点状出血(1/3).
検査所見:血小板減少,白血球減少,ALT・AST・LDH・CPK上昇(100%).
診断/病原体
診断
定量的逆転写PCR(qRT-PCR):ウイルス血症>10
9
copies/mLは死亡と関連する
IgMおよびIgG抗体のための血清学検査キット(擬陰性が多い)
病原体
クリミア-コンゴ出血熱ウイルス
第一選択
リバビリン
経口,初回30mg/kg,その後15mg/kg 6時間ごと・4日,その後7.5mg/kg 8時間ごと・6日(WHO推奨)
コメント参照
第二選択
IVIGは炎症の軽減に関連
高用量コルチコステロイドが有効だった
サイトカインストームを抑制するための免疫修飾薬は重症例で有効なことがある.
コメント
281例の症例シリーズで,リバビリンは死亡率を低下させた.またデキサメタゾンは重症患者で有用と考えられた(
Clin Infect Dis 57: 1270, 2013
).
パキスタンにおいて医療従事者3例中3例が完全に回復(
Lancet 346: 472, 1995
).
イランにおいて感染者69例中61例(89%)がリバビリン治療で救命された(
Clin Infect Dis 36: 1613, 2003
).
トルコでの研究では,リバビリン治療を受けた患者では入院期間はより短かった(7.7日 vs 10.3日)が,死亡率や輸血の必要性に差はなかった(
J Infect 52: 207, 2006
).
トルコの342例のクリミア-コンゴ出血熱患者で,リバビリンの早期使用(2日未満)は症状の重症化を抑制し,専門的治療施設に移送する必要性を著明に低下させた(
Vector Borne Zoonotic Dis 14: 300, 2014
).
治療用モノクローナル抗体,DNAワクチンが開発中
リバビリン治療の総説:
BMC Infect Dis 10: 207, 2010
.
クリミア-コンゴ出血熱についての総説:
Nat Rev Microbiol 21: 463, 2023
.
一般的参考文献:
Clin Infect Dis 39: 284, 2004
;
Microb Pathog 169: 105657, 2022
.
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2024/10/15