日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

細気管支炎  (2023/07/11 更新)
幼児/小児における細気管支炎,喘鳴を伴う気管支炎,呼気性喘鳴


臨床状況

  • 幼児/小児(<5歳)における喘鳴を伴う気管支炎,呼気性喘鳴.
  • RSウイルスが最も重要な病原体.
  • 他のウイルスも同様な症状を引き起こすことがある.
  • 抗原検査法でRSウイルスの迅速な診断が可能.DFAおよびマルチプレックスPCRにより通常の病原体ウイルスはすべて診断できる.
  • 二次性の細菌感染のはっきりとしたエビデンスがなければ,細気管支炎で抗菌薬は用いないこと.

病原体

  • RSウイルス
  • インフルエンザウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • アデノウイルス
  • ライノウイルス
  • コロナウイルス
  • SARS-CoV-2

第一選択

  • 近年の研究では3%高張食塩水の噴霧の有効性が示唆されている.考慮してもよい.
  • 気管支拡張薬吸入を試みることは一般的には推奨されない,または有用でない.ただし,臨床的反応を評価するためには考慮してもよい.
  • AAPは,有効性がないとしてステロイドのルーチン使用を推奨していない.

第二選択

  • なし

抗微生物薬適正使用

  • 抗微生物薬は適応とならない.
  • 細気管支炎のクリニカルパス遵守により,抗菌薬使用,医療費が低減され,入院期間が短縮することが示された(Pediatricss 139: e20163432, 2017).

コメント

  • RSウイルスに特化した治療および予防については,RSウイルス を参照.
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2023/07/10