Ibalizumab-uiyk (2024/08/27 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
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Ibalizumabは遺伝子組換えによって作成されたモノクローナル抗体であり,CD4細胞へのHIVの接着と侵入を妨げる.
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抗レトロウイルス薬の複数のタイプに耐性であり,完全に活性のある抗レトロウイルス薬が2剤に満たないHIV感染患者に第一に用いられる.
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活性の機序が独特のため,NRTI,NNRTI,PI,INSTIに対する耐性変異を有する多くのウイルスに活性がある.
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点滴投与が必要なことと投薬コストのため,使用は限られる.
2. 成人用量
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2000mg静注(初回),その後800mg静注2週に1回
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初回用量は希釈して30分以上かけて静注.その後の維持量は,希釈して15分以上かけて静注,または希釈しないで静注.
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注射液は250mL生食バッグで調製.他の希釈液を用いないこと,いったん希釈したらただちに投与.ただちに投与しない場合:室温での保管なら4時間以内に,冷蔵(2~8℃)なら24時間以内に投与.
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初回用量を30分以上かけて注入.忍容性があれば,次回からは注入時間を15分以上としてよい.
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最初の注射完了後1時間は患者を経過観察する.注射関連の副作用がみられなければ,注射後の観察時間を15分に短縮してもよい.
3. 小児用量
用量(生後>28日)
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安全性と有効性は確立されていない
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最大/日
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4. 腎障害時の用量調整
半減期(時間)(腎機能正常)
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用量依存
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半減期(時間)(ESRD)
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データなし
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用量(腎機能正常)
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初回2g静注,その後800mg静注2週間ごと
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CrClまたはeGFR
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腎障害時の用量調整不要
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血液透析
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データなし
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CAPD
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データなし
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CRRT
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データなし
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SLED
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データなし
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5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
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過敏反応,注射関連反応およびアナフィラキシー反応など
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徴候:呼吸不全,血管浮腫,喘鳴,胸部の痛みまたは緊張,咳,ほてり,悪心,嘔吐
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下痢
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めまい
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発疹
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免疫再構築症候群(IRIS)
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動物実験のデータによれば,子宮内でIbalizumab曝露を受けた新生児では可逆的な免疫抑制が起こることがある.専門医に意見を求めること.曝露を受けた新生児への生あるいは生弱毒化ワクチン接種の安全性は不明である.
妊娠時のリスク
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FDAリスク区分(新):ヒトでのデータなし.動物データからは,子宮内で曝露を受けた乳児での免疫抑制が示唆される.
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授乳中の使用:ARTを受けていて,全妊娠期間を通じてウイルス量が抑制されていれば,乳児栄養の選択肢,リスクと有用性についてのカウンセリングの上での授乳は合理的な選択肢となる.
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
薬効分類
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モノクローナル抗体
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剤形
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注射剤
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食事に関する推奨(経口薬)1
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経口吸収率(%)
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Tmax(時間)
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最高血清濃度2(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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データなし
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分布容積3(Vd)
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4.8L
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平均血清半減期4(T1/2, 時間)
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用量による
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排泄
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分解代謝(IgGと同様)
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細胞内半減期(T1/2,時間)
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データなし
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脳脊髄液/血液5(%)
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データなし
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中枢神経系移行効果(CPE)6
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データなし
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AUC7(μg・時間/mL)
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データなし
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注記のない場合は成人用製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
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CrCl>80 mL/分と想定
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炎症時における脳脊髄液濃度
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CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント
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