日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Maribavir  (2024/06/18 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢≧12歳,体重≧35kg:400mg経口12時間ごと(成人と同じ)
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
4.3
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
400mg12時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
錠:200mg
食事に関する推奨(経口薬)1
錠:食事の影響なし
経口吸収率(%)
データなし
Tmax(時間)
1~3
最高血清濃度2(μg/mL)
17.2(400mg12時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
98
分布容積3(Vd)
27.3L (Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
4.3
排泄
肝代謝
胆汁移行性(%)5
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8幾何平均値(μg・時間/mL)
128(400mg12時間ごと,0~12時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
3A4(主要),1A2(副次的)
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
3A4(弱い)
トランスポーターの阻害
PGP,BCRP
CYP450誘導

トランスポーターの誘導

血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
作用
重要性
カルバマゼピン
Maribavir↓
Maribavirを800mg 1日2回まで増量
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
エベロリムス
エベロリムス↑
モニター,用量調整
ガンシクロビル
抗ウイルス活性を阻害
併用を避ける
フェノバルビタール
Maribavir↓
Maribavirを1200mg 1日2回まで増量
フェニトイン
Maribavir↓
Maribavirを1200mg 1日2回まで増量
リファブチン
Maribavir↓
併用を避ける
リファンピシン
Maribavir↓
併用を避ける
ロスバスタチン
ロスバスタチン↑
モニター
シロリムス
シロリムス↑
モニター,用量調整
セイヨウオトギリソウ
Maribavir↓
併用を避ける
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
バルガンシクロビル
抗ウイルス活性を阻害
併用を避ける
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2024/06/17