Rifamycin SV (2024/07/02 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
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FDAは非侵襲性E. coli株による成人の旅行者下痢症への適応を承認した
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Rifamycin SVは,臨床で実際に最初に(1963年)用いられたリファマイシン(学術的にはアンサマイシン)系抗菌薬であり,ほとんど吸収されない.理論的には,製剤のMMX(マルチマトリックス)技術により,製剤が遠位小腸と結腸内のpH(7以上)に到達し,さらに1時間経過してはじめて,活性型薬剤が放出される.
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抗菌活性
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腸管凝集性および毒素産生E. coliに対してin vitroおよび臨床的に活性あり
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Shigellaに対してin vitroで活性があるが,Salmonellaに対する活性は劣る
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Campylobacter属に対する活性はない.
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発熱および/または血便を伴う下痢の治療には適応がない.そのような患者ではAZM1回投与が推奨される.
2. 成人用量
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成人用量は388mg(2錠)経口1日2回
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錠剤はそのまま約180~240mLの液体で飲み込む(粉砕,咀嚼,分割しないこと)
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錠剤は食事の影響を受けないが,アルコールと一緒には服用しないこと
3. 小児用量
用量(生後>28日)
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安全性・有効性は確立されていない
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最大/日
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4. 腎障害時の用量調整
半減期(時間)(腎機能正常)
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データなし
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半減期(時間)(ESRD)
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データなし
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用量(腎機能正常)
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388mg経口12時間ごと
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CrClまたはeGFR
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腎障害時の用量調整不要
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血液透析
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データなし
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CAPD
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データなし
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CRRT
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データなし
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SLED
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データなし
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5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
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便秘(3.5%)
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頭痛(3.3%)
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消化不良(<2%)
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腹痛(0.5%)
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発熱(0.3%)
妊娠時のリスク
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FDAリスク区分(新):ヒトのデータなし,動物で毒性
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授乳中の使用:データなし,おそらくは安全(経口投与後の全身性吸収がわずかであるため)
3. 抗微生物スペクトラム
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E. coli(エンテロトキシン産生,腸管凝集性株)
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Shigella属,一部のSalmonella属
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Campylobacter属には活性なし
4. 薬理学
PK/PD指標
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24時間AUC/MIC
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剤形
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錠(194mg)
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食事に関する推奨(経口薬)1
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食事の影響を受けない(アルコールは不可)
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経口吸収率(%)
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ごくわずか
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Tmax(時間)
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最高血清濃度2(μg/mL)
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ごくわずか
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最高尿中濃度(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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80
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分布容積3(Vd)
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データなし
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平均血清半減期4(時間)
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データなし
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排泄
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糞便
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胆汁移行性5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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データなし
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治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
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データなし
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AUC8(μg・時間/mL)
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データなし
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注記のない場合は成人用経口製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the plasma concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
5. 主要な薬物相互作用
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全身性のリファマイシン濃度はごく低いため,臨床的に影響がある薬物相互作用は想定されない
6. コメント
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