日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

トファシチニブ  (2025/04/08 更新)
主な商品名:ゼルヤンツ

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
COVID-19患者に対する研究は18歳以上が対象(N Engl J Med 385: 406, 2021
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
3
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
10mg経口12時間ごと
CrClまたはeGFR
eGFR≧50:用量調整不要
eGFR<50:5mg12時間ごと
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
錠剤:5mg,10mg†
徐放錠†:11mg,22mg
経口液†:1mg/mL
食事に関する推奨(経口薬)1
どの剤形も食事の影響を受けない
経口吸収率(%)
74
Tmax(時間)
0.8
最高血清濃度2(μg/mL)
84.7ng/mL(10mg経口12時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
40
分布容積3(Vd)
87L
平均血清半減期(T1/2,時間)4
3
排泄
肝代謝,腎
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(ng・時間/mL)
539.6ng・時間/mL(10mg経口12時間ごと,0~24h)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450
CYP3A4
薬剤が基質となるトランスポーター

薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター
- 
薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響
予測されない

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
強力なCYP3A4阻害薬
トファシチニブ↑
5mg12時間ごと(N Engl J Med 385: 406, 2021
中等度のCYP3A4阻害薬+強力なCYP2C19阻害薬
トファシチニブ↑
5mg12時間ごと(N Engl J Med 385: 406, 2021
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2025 Life Science Publishing↑ page top

2025/04/07