日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

トファシチニブ  (2024/11/19 更新)
主な商品名:ゼルヤンツ

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
COVID-19患者に対する研究は18歳以上が対象(N Engl J Med 385: 406, 2021
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
3
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
10mg経口12時間ごと
CrClまたはeGFR
eGFR≧50(mL/分/1.73m2):10mg12時間ごと
eGFR<50(mL/分/1.73m
2):5mg12時間ごと
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
錠剤:5mg,10mg†
徐放錠†:11mg,22mg
経口液†:1mg/mL
食事に関する推奨(経口薬)1
どの剤形も食事の影響を受けない
経口吸収率(%)
74
Tmax(時間)
0.8
最高血清濃度2(ng/mL)
84.7ng/mL(10mg経口12時間ごと,SS)
最高尿中濃度(mg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
40
分布容積3(Vd)
87L
平均血清半減期(時間)4
3
排泄
肝代謝,腎
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(ng・時間/mL)
539.6ng・時間/mL(10mg経口12時間ごと,0~24h)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
3A4
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
  

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
強力なCYP3A4阻害薬
トファシチニブ↑
5mg12時間ごと(N Engl J Med 385: 406, 2021
中等度のCYP3A4阻害薬+強力なCYP2C19阻害薬
トファシチニブ↑
5mg12時間ごと(N Engl J Med 385: 406, 2021
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2024/11/18