• ノルフロキサシン（NFLX）は初期のフルオロキノロン系抗菌薬の1つである．
  
• 適応はCPFXおよびLVFXと重なる．ただし，CPFXとLVFXのほうが抗菌活性が大きく，両剤ともジェネリックがあるため，NFLXの使用は減っている．
  
• 注意：薬物相互作用が多い（下表参照，すべてではない）
  
• 現在米国では入手できない
  

• 体重およびクレアチニンクリアランス（CrCl）推定値の計算法
  
• CrCl（mL/分），CAPD: 持続的携行型腹膜透析， CRRT: 持続的腎代替療法，SLED: 長時間低効率血液透析
  

• 軽症肝障害（Child-Pugh分類A)：用量調整不要
  
• 中等症肝障害（Child-Pugh分類B)：用量調整不要
  
• 重症肝障害（Child-Pugh分類C)：用量調整不要
  

• 中枢神経毒性についてはよくわかっていないが，めまいから錯乱までさまざまあり，けいれんはまれ．
  
• QT間隔の延長：低カリウム血症，低マグネシウム血症，QT間隔の延長の可能性がある薬剤の併用でリスクは増大する．
  
• 胃腸関連の不耐性：悪心と嘔吐
  
• 腱障害：自然発生的な腱断裂．コルチコステロイド併用でリスクが最も高い．
  
• 乳製品，マルチビタミン，制酸薬中の多価カチオン（Ca，Mg，Al，Fe）によりキレート化される．その結果としてNFLXの吸収が阻害される．
  
• アレルギー反応はまれ．
  
• 重症筋無力症患者での筋無力症状の増悪はまれ．
  
• 光線過敏症が起こることがある．
  

1. 注記のない場合は成人用経口製剤
   
2. SD：単回投与後，SS：複数回投与後の定常状態
   
3. V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能），Vss：定常状態におけるVd，Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
   
4. CrCl＞80 mL/分と想定
   
5. （胆汁中の最高濃度）÷（血清中の最高濃度）×100
   
6. 炎症時における脳髄液濃度
   
7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定．脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
   
8. AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve．0～inf＝AUC0-inf，0～ｘ時間＝AUC0-x
   

血清中薬物濃度への影響とは，当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう．↑：上昇，↓：低下