日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Saquinavir  (2022/6/7 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
[Saquinavir2錠(1000mg)+リトナビル1カプセル(100mg)]経口1日2回,食事とともに

代替処方:未治療患者でのみ
[Saquinavir4錠(2000mg)+リトナビル1カプセル(100mg)]経口1日1回,食事とともに

 3. 小児用量

新生児/乳児
承認されていない
年齢<2歳
決定されていない
年齢≧2歳
(既治療患者の限られたデータに基づく)
体重5~<15kg:Saquinavir 50mg/kg1日2回+リトナビル3mg/kg1日2回
体重15~<40kg:Saquinavir 50mg/kg1日2回+リトナビル2.5mg/kg1日2回
体重≧40kg:Saquinavir 50mg/kg1日2回+リトナビル100mg1日2回
青少年(年齢≧16歳)
Saquinavir 1000mg1日2回+リトナビル100mg1日2回

 4. 腎障害時の用量調整

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
プロテアーゼ阻害薬(PI)
PK/PD指標
データなし
剤形
200mgカプセル,500mgフィルムコート錠
通常成人用量
1000mg(+リトナビル100mg)経口1日2回
FDAの妊娠危険区分
B
経口剤の投与のタイミング1
食事とともに服用
経口吸収率2(%)
4,サキナビルのみでは不安定
リトナビルと併用すると確実に吸収される.
最高血清濃度3(μg/mL)
0.37(SS)
蛋白結合(%)
97
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1~2
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
CYP450(主として3A4)により代謝され,さまざまな不活性体として主に糞便中に排泄される
中枢神経系移行効果(CPE)5
1
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
700 L (Vss)
AUC8(μg・時間/mL)
29.2 (AUC0-24)
CYP450,トランスポーターとの相互作用
基質:3A4,PGP
阻害:3A4,PGP
Tmax(時間)10
データなし
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
       SD:単回投与後
       SS:複数回投与後の定常状態
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
アルフゾシン
アルフゾシン↑
禁忌
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
モニター,用量調整
アミオダロン
アミオダロン↑
禁忌
アムロジピン
アムロジピン↑
モニター,用量調整
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
モニター,用量調整
ベプリジル
ベプリジル↑
禁忌
ベタメタゾン
ベタメタゾン↑
併用を避ける
ボセンタン
ボセンタン↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
SQV↓
併用を避ける
クロルプロマジン
クロルプロマジン↑
禁忌
クラリスロマイシン
クラリスロマイシン↑
禁忌
Clorazepate
Clorazepate↑
モニター,用量調整
クロザピン
クロザピン↑
禁忌
コルヒチン(腎/肝障害)
コルヒチン↑
禁忌
コルヒチン
コルヒチン↑
モニター,用量調整,または避ける
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
ダサチニブ
ダサチニブ↑
禁忌
デキサメタゾン
SQV↓,デキサメタゾン↑
併用を避ける
ジアゼパム
ジアゼパム↑
モニター,用量調整
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
ジルチアゼム
ジルチアゼム↑
モニター,用量調整
ジソピラミド
ジソピラミド↑
禁忌
Dofetilide
Dofetilide↑
禁忌
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
エリスロマイシン
エリスロマイシン↑
禁忌
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↓
より良い方法を用いる
フェロジピン
フェロジピン↑
モニター,用量調整
Fexinidazole
SQV↑
併用を避ける
フレカイニド
フレカイニド↑
禁忌
フルラゼパム
フルラゼパム↑
モニター,用量調整
フルチカゾン
フルチカゾン↑
併用を避ける
フシジン酸
SQV↑,フシジン酸↑,RTV↑
併用を避ける
Halofantrine
Halofantrine↑
禁忌
ハロペリドール
ハロペリドール↑
禁忌
イトラコナゾール
SQV↑,イトラコナゾール↑
モニター,用量調整
ケトコナゾール
ケトコナゾール↑
モニター,用量調整,または避ける
リドカイン
リドカイン↑
モニター,用量調整,または避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
マラビロク
マラビロク↑
モニター,用量調整
メサドン
メサドン↓
モニター,用量調整,または避ける
メチルプレドニゾロン
メチルプレドニゾロン↑
併用を避ける
ミダゾラム(静注)
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ニカルジピン
ニカルジピン↑
モニター,用量調整
ニフェジピン
ニフェジピン↑
モニター,用量調整
ニソルジピン
ニソルジピン↑↓
モニター,用量調整
オメプラゾール
SQV↑
モニター,用量調整
フェノバルビタール
SQV↓
併用を避ける
フェニトイン
SQV↓
併用を避ける
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
Prednisone
Prednisone↑
併用を避ける
プロパフェノン
プロパフェノン↑
禁忌
クエチアピン
クエチアピン↑
モニター,用量調整,または避ける
Quinidine
Quinidine↑
禁忌
Quinine
Quinine↑
禁忌
リファブチン
リファブチン↑
モニター,用量調整
リファンピシン
リファンピシン↑
禁忌
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
シルデナフィル(EDに対して)
シルデナフィル↑
モニター,用量調整
シルデナフィル(PAHに対して)
シルデナフィル↑
禁忌
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
セイヨウオトギリソウ
SQV↓
禁忌
スニチニブ
スニチニブ↑
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
禁忌
タダラフィル(ED,PAHに対して)
タダラフィル↑
モニター,用量調整
チオリダジン
チオリダジン↑
禁忌
トラゾドン
トラゾドン↑
禁忌
トリアムシノロン
トリアムシノロン↑
併用を避ける
トリアゾラム
トリアゾラム↑
禁忌
三環系抗うつ薬(TCA)
TCA↑
モニター,用量調整,または避ける
バルデナフィル
バルデナフィル↑
モニター,用量調整
ベラパミル
ベラパミル↑
モニター,用量調整
Vincamine
Vincamine↑
モニター,用量調整
ワルファリン
ワルファリン↑↓
INRをモニター,用量調整
ジプラシドン
ジプラシドン↑
禁忌
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2022/06/02