日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Rifapentine  (2025/09/30 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
600mg週1回または2回
900mg週1回
1200mg1日1回

 3. 小児用量

適応
用量(生後>28日)
最大/日
活動性結核
年齢≧12歳
初期治療:600mg週2回・2ヵ月
継続治療:600mg週1回・4~7ヵ月

潜在性結核感染
年齢≧2歳
体重10~14kg:300mg週1回
体重14.1~25kg:450mg週1回
体重25.1~32kg:600mg週1回
体重32.1~50kg:750mg週1回
体重>50kg:900mg週1回
900mg/週

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
13.2~14.1
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
600mg経口週1~2回
腎障害時の用量
用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
150mg錠
食事に関する推奨(経口薬)1
食事とともに服用
経口吸収率(%)
データなし
Tmax(時間)
4.8
最高血清濃度2(μg/mL)
15(600mg経口72時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
98
分布容積3(Vd)
70 L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
13.2~14.1
排泄
便(親化合物,代謝物)
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
320(600mg経口72時間ごと,0~72時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450
-  
薬剤が基質となるトランスポーター
- 
薬剤が基質となるUGT
- 
薬剤が阻害するCYP450
- 
薬剤が阻害するトランスポーター
- 
薬剤が阻害するUGT
- 
薬剤が誘導するCYP450
CYP2C9,CYP3A4
薬剤が誘導するトランスポーター
- 
薬剤が誘導するUGT
- 
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(またはその他の影響)
推奨される対応
アミトリプチリン
アミトリプチリン↓
用量調整または避ける
アルテメテル・ルメファントリン1
アルテメテル↓,DHA↓,ルメファントリン↓が予測される
禁忌
アトバコン1
アトバコン↓が予測される
併用を避ける
ベダキリン
ベダキリン↓
併用を避ける
ビクタルビ(BIC/FTC/TAF)
Bictegravir↓,TAF↓
併用を避ける
カスポファンギン1
カスポファンギン↓がありうる(Rifapentine週1回),予測される(Rifapentine1日1回)
モニター,カスポファンギン用量を70mg/日まで増量を考慮
Chloroquine phosphate1
Chloroquine↓が予測される
モニター
クラリスロマイシン1
クラリスロマイシン↓,14-OHクラリスロマイシン↑(が予測される),Rifapentine↑(が予測される)
Rifapentineが1日1回なら,併用を避ける;週1回なら,慎重に使用
シクロスポリン
シクロスポリン↓
用量調整または避ける
ジアフェニルスルホン1
ジアフェニルスルホン↓が予測される
併用を避ける
デキサメタゾン
デキサメタゾン↓
用量調整または避ける
ジアゼパム
ジアゼパム↓
用量調整または避ける
ジルチアゼム
ジルチアゼム↓
用量調整または避ける
ジソピラミド
ジソピラミド↓
用量調整または避ける
ドラビリン
ドラビリン↓
禁忌
ドキシサイクリン1
ドキシサイクリン↓が予測される(Rifapentine1日1回),ドキシサイクリン↓がありうる(Rifapentine週1回)
慎重に使用;モニター,または避ける
エリスロマイシン1
エリスロマイシン↓が予測される
避ける,またはモニター
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↓
併用を避ける
フルコナゾール1
フルコナゾール↓が予測される
モニター,用量調整
グレカプレビル/ピブレンタスビル1
グレカプレビル↓およびピブレンタスビル↓が予測される
併用を避ける
ハロペリドール
ハロペリドール↓
用量調整または避ける
Ibrexafungerp1,2
Ibrexafungerp↓が予測される
併用を避ける
イミプラミン
イミプラミン↓
用量調整または避ける
イサブコナゾニウム硫酸塩1
イサブコナゾール↓が予測される
併用を避ける
イトラコナゾール1
イトラコナゾール↓が予測される
併用を避ける
Ledipasvir/Sofosbuvir
Ledipasvir↓,Sofosbuvir↓
併用を避ける
Lenacapavir
Lenacapavir↓
併用を避ける
リネゾリド1
リネゾリド↓が予測される(Rifapentine1日1回);リネゾリド↓がありうる(Rifapentine週1回)
モニター,用量調整
メフロキン1
メフロキン↓が予測される
併用を避ける
メサドン
メサドン↓
用量調整または避ける
ニフェジピン
ニフェジピン↓
モニター,用量調整
ノルトリプチリン
ノルトリプチリン↓
モニター,用量調整
フェニトイン
フェニトイン↓
モニター,用量調整
ポサコナゾール1
ポサコナゾール↓が予測される
Rifapentine1日1回:併用を避ける.
Rifapentine週1回:避ける,またはモニター(TDM)
Prednisone
Prednisone↓
モニター,用量調整
キニジン
キニジン↓
モニター,用量調整
Quinine1
Quinine↓が予測される
併用を避ける
Sofosbuvir
Sofosbuvir↓,GS-331007↓
併用を避ける
Sofosbuvir/Velpatasvir1
(Sofosbuvir↓,Velpatasvir↓)が予測される
併用を避ける
Sofosbuvir/Velpatasvir/Voxilaprevir
Sofosbuvir↓,Velpatasvir↓,Voxilaprevir↓
併用を避ける
タクロリムス
タクロリムス↓
モニター,用量調整
テジゾリド
テジゾリド↓が予測される(Rifapentine1日1回),テジゾリド↓がありうる(Rifapentine週1回)
モニター
テノホビルアラフェナミド(TAF)1
(TAF↓,テノホビル↓,テノホビル2リン酸↓)がありうる
避ける,またはモニター
テオフィリン
テオフィリン↓
モニター,用量調整
トリアゾラム
トリアゾラム↓
モニター,用量調整
ボリコナゾール1
ボリコナゾール↓が予測される
併用を避ける
ワルファリン
ワルファリン↓
併用を避ける
  1. HHS日和見感染臨床ガイドライン(2025年7月14日改訂)
  2. Rifapentineは1日1回または週1回投与される.

6. コメント

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2025/09/29