日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Quinupristin/Dalfopristin  (2024/07/02 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5.  酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

皮膚/軟部組織感染症
7.5mg/kg静注12時間ごと,中心静脈ラインを使用

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
安全性・有効性は確立されていない
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
QPR:0.85,DPR:0.7
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
7.5mg/kg静注12時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:7.5mg/kg12時間ごと
CrCl 10~50:7.5mg/kg 12時間ごと
CrCl<10:7.5mg/kg12時間ごと
血液透析
7.5mg/kg12時間ごと
CAPD
7.5mg/kg12時間ごと
CRRT
7.5mg/kg12時間ごと
SLED
データなし

肝障害患者では用量調整が必要となることがある.

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
静注剤
食事に関する推奨(経口薬),1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
QPR: 3.2,DPR: 8 (7.5mg/kg静注8時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
QPR>DPR(定量化されていない)
分布容積3(Vd)
QPR: 0.45 L/kg,DPR: 0.24 L/kg
(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
QPR: 0.85,DPR: 0.7
排泄
胆汁
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC9(μg・時間/mL)
QPR: 7.2,DPR: 10.6
(7.5mg/kg静注8時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5.  酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
  
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
3A4
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
   
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
Ca拮抗薬
Ca拮抗薬↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
カルバマゼピン↑
モニター,用量調整
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
ジアゼパム
ジアゼパム↑
モニター,用量調整
ドセタキセル
ドセタキセル↑
併用を避ける
リドカイン
リドカイン↑
モニター,用量調整
メチルプレドニゾロン
メチルプレドニゾロン↑
モニター,用量調整
ミダゾラム
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
パクリタキセル
パクリタキセル↑
併用を避ける
CYP3Aで代謝されるスタチン
スタチン↑
モニター,用量調整
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
ビンクリスチン
ビンクリスチン↑
併用を避ける

7. コメント

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2024/07/01