Melarsoprol (2024/08/27 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 薬理学
4. 主要な薬物相互作用
1. 用法および用量
1. 使用
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Melarsoprolは,トリパノソーマ症(睡眠病)II期(脳炎)の治療に用いられる,毒性のあるヒ素製剤である.
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Trypanosoma brucei rhodesiense(ローデシアトリパノソーマ)II期に対する現在唯一の選択薬だが,流行地ではTrypanosoma gambiense II期の治療には本剤に代わりNifurtimox/Eflornithine併用療法(NECT)またはFexinidazole(Lancet 391: 144, 2018)が用いられている.Eflornithine単独投与も用いられることがある.
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Fexinidazoleはすべて経口処方であり,現在ではT brucei gambienseに対する第一選択
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Trypanosoma brucei rhodesiense II期に対する臨床試験は完了し,2022年茎にEMAに提出された.
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現在までデータは発表されていないので,推奨はできない.
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CDC薬剤サービスより入手可能.180mg/5mLプロピレングリコール(静注用アンプル)としてAventis社が製造(Arsobal).
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時間をかけて静注する.
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活性スペクトラム
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T. brucei rhodesiense
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T. brucei gambiense(ただしEflornithine,FexnidazoleかNECTが用いられる)
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
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脳症(患者の5~10%),致死率は最大50%.ステロイド治療により脳症を予防または軽減できる可能性もある.
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その他の副作用:血圧上昇,アルブミン尿症,腹痛,悪心/嘔吐,静脈炎,末梢神経障害,Herxheimer様反応,そう痒感.
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G6PD欠損症の患者では重度の溶血反応.
3. 薬理学
PK/PD指標
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データなし
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剤形
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注射
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食事に関する推奨(経口薬)1
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経口吸収率(%)
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Tmax(時間)
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最高血清濃度2(μg/mL)
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2~4(2.2mg/kg静注,SD)
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最高尿中濃度(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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80
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分布容積3(Vd)
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データなし
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平均血清半減期4 (T1/2, 時間)
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<0.5(親物質)
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胆汁移行性5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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5
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治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
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データなし
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AUC8(μg・時間/mL)
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データなし
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注記のない場合は成人用経口製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
4. 主要な薬物相互作用
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