日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

マラビロク  (2024/12/24 更新)
主な商品名:シーエルセントリ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
・300mg1日2回:相互作用のない薬剤(たとえばNRTI,Enfuvirtid,ネビラピン,ラルテグラビルなど)との併用の場合
・150mg1日2回:強力なCYP3A阻害薬(±強力なCYP3A誘導薬),たとえばすべてのPIと併用の場合
・600mg1日2回:強力なCYP3A誘導薬(たとえば,エファビレンツ,エトラビリンなど)との併用(強力なCYP3A阻害薬の併用はなし)の場合

 3. 小児用量

対象/併用
満産の乳児,既治療小児/青少年,相互作用のない薬物:
2~<4kg:30mg (1.5 mL)12時間ごと (経口溶液)
4~<6kg:40mg (2mL)12時間ごと (経口溶液)
6~<10kg:100mg (5mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
10~<14kg:150mg (7.5 mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
14~<30kg:200mg (10mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
30~<40kg:300mg (15mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
≥40 kg: 300 mg (15 mL) q12h (経口溶液または錠)
強力なCYP3A阻害薬と併用 (± CYP3A誘導薬),すべてのプロテアーゼ阻害薬を含む:
2~<10kg:推奨されない
10~<20kg:50mg (2.5mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
20~<30kg:75~80mg (4mL) 12時間ごと (経口溶液または錠)
30~<40kg:100mg (5 mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
≧40kg:150mg (7.5mL)12時間ごと (経口溶液または錠)
強力なCYP3A誘導薬と併用,CYP3A阻害薬との併用なし:データなし
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
14~18
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
300mg経口12時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50:用量調整不要
CrCl<50:データなし
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
CCR-5 阻害薬
剤形
錠(25, 75, 150, 300mg)
経口溶液†(20mg/mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
食事の影響なし
経口吸収率(%)
33
Tmax(時間)
0.5~4.0
最高血清濃度2(μg/mL)
0.3~0.9(300mg12時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
76
分布容積3(Vd)
194 L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
14~18
排泄(%)
代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
中枢神経系移行効果(CPE)5
3
AUC8(μg・時間/mL)
3 (300mg12時間ごと,0~24時間)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
3A4
トランスポーターの基質
PGP
CYP450阻害
2D6
トランスポーター阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーター誘導
  
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微⽣物薬により影響を受ける併⽤薬の⾎清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
カルバマゼピン
マラビロク↓
マラビロクを増量
クラリスロマイシン
マラビロク↑
マラビロクを減量
イトラコナゾール
マラビロク↑
マラビロクを減量
ケトコナゾール
マラビロク↑
マラビロクを減量
Nefazodone
マラビロク↑
マラビロクを減量
Nirmatrelvir/リトナビル
マラビロク↑
モニター,さらなる情報を求める
フェノバルビタール
マラビロク↓
マラビロクを増量
フェニトイン
マラビロク↓
マラビロクを増量
リファブチン
マラビロク↓
モニター,用量調整
PLoS One 14: e0223969, 2019
リファンピシン
マラビロク↓
マラビロクを増量

7. コメント

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2024/12/23