日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

マラビロク  (2022/3/29 更新)
主な商品名:シーエルセントリ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
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Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
・300mg1日2回:相互作用のない薬剤(たとえばNRTI,Enfuvirtid,ネビラピン,ラルテグラビルなど)との併用の場合
・150mg1日2回:強力なCYP3A阻害薬(±強力なCYP3A誘導薬),たとえばすべてのPIと併用の場合
・600mg1日2回:強力なCYP3A誘導薬(たとえば,エファビレンツ,エトラビリンなど)との併用(強力なCYP3A阻害薬の併用はなし)の場合

 3. 小児用量

対象/併用
用量(使用する剤形)
満産児,既治療の小児及び青少年,体重≧2kgで,相互作用のない薬剤(たとえばNRTI,Enfuvirtid,ネビラピン,ラルテグラビルなど)との併用
体重2~<4kg:30mg(1.5mL)1日2回(経口懸濁液)
体重4~<6kg:40mg(2mL)1日2回(経口懸濁液)
体重6~<10kg:100mg(5mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重10~<14kg:150mg(7.5mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重14~<30kg:200mg(10mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重30~<40kg:300mg(15mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重≧40kg:300mg(15mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
すべてのPIを含む強力なCYP3A阻害薬と併用する場合(±強力なCYP3A誘導薬)
体重2~<10kg:推奨されない
体重10~<20kg:50mg(2.5mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重20~<30kg:75~80mg(4mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重30~<40kg:100mg(5mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
体重≧40kg:150mg(7.5mL)1日2回(経口懸濁液または錠剤)
強力なCYP3A誘導薬(たとえば,エファビレンツ,エトラビリンなど)との併用(強力なCYP3A阻害薬の併用はなし)の場合
乳児,小児および青少年ではどの体重域(データ不十分)でも推奨されない

 4. 腎障害時の用量調整

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
CCR-5 阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
25, 75, 150, 300mg錠
20mg/mL経口溶液
通常成人用量
300mg経口1日2回
(警告については上記参照)
FDAの妊娠危険区分
B
経口剤の投与のタイミング1
食事の影響なし
経口吸収率2(%)
33
最高血清濃度3(μg/mL)
0.3~0.9(SS)
蛋白結合(%)
76
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
14~18
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
代謝物(CYP3Aによる)は尿中よりも糞便中に多く排泄される
中枢神経系移行効果(CPE)5
3
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
194 L
AUC8(μg・時間/mL)
3 (AUC0-24)
CYP450,トランスポーターとの相互作用
基質:3A4,PGP
阻害:2D6
Tmax9(時間)
0.5~4.0

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
カルバマゼピン
マラビロク↓
マラビロクを増量
クラリスロマイシン
マラビロク↑
マラビロクを減量
イトラコナゾール
マラビロク↑
マラビロクを減量
ケトコナゾール
マラビロク↑
マラビロクを減量
Nefazodone
マラビロク↑
マラビロクを減量
Nirmatrelvir/リトナビル
マラビロク↑
モニター,さらなる情報を求める
フェノバルビタール
マラビロク↓
マラビロクを増量
フェニトイン
マラビロク↓
マラビロクを増量
リファブチン
マラビロク↓
モニター,用量調整
PLoS One 14: e0223969, 2019
リファンピシン
マラビロク↓
マラビロクを増量

6. コメント

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2022/03/24