日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Dicloxacillin  (2024/10/01 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
125~500mg経口6時間ごと・食事の1時間前または2時間後に服用

 3. 小児用量

適応
用量(生後>28日)
最大/日
軽症~中等症感染
12.5~25mg/kg/日(6時間ごとに分割)

骨関節感染
100mg/kg/日(6時間ごとに分割)

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
0.7
半減期(時間)(ESRD)
不変
用量(腎機能正常)
120~150mg経口6時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

調整なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
カプセル(250,500mg)
食事関する推奨(経口薬)1
カプセル:食事なしで服用
経口吸収率(%)
37
Tmax(時間)
1~1.5
最高血清濃度2(μg/mL)
10~17(500mg経口 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
98
分布容積3(Vd)
0.1 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
0.7
排泄
腎,胆汁
胆汁移行性5(%)
5~8
脳脊髄液/血6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
データなし
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
2C9,2C19,3A4
トランスポーター誘導
  
血清中薬物濃度への影響

⾎清中薬物濃度への影響は,当該抗微⽣物薬により影響を受ける併⽤薬の⾎清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
ワルファリン
ワルファリン↓(INR↓)
INRをモニター,用量調整
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2024/09/30