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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
肺炎-市中肺炎(CAP),成人,外来患者
(
2026/03/31 更新
)
臨床状況
入院していない市中肺炎(CAP)の成人患者.
肺炎重症度指数(PSI)
(
Am J Respir Crit Care Med 200: e45, 2019
)およびCURB-65スコア(
Thorax 58: 377, 2003
)は,CAP患者の入院の必要性を評価するために有用である.
PSI≦90の患者は外来治療の候補となる.
肺炎重症度指数(PSI)
参照
CURB-65の計算
:CURBスコア=0,外来患者として管理;CURBスコア=1,年齢>65歳で併存疾患がなければ,外来患者としての管理を検討する;CURBスコア=2,入院での管理を行う.
経験的処方は合併症の有無,年齢,直近の抗菌薬治療で異なる.
病原体
合併症なし
S. pneumoniae
非定型性病原体:
Chlamydophila pneumoniae
,
C. psittaci
,
Legionella属
,
M. pneumoniae
,
C. burnetii
(Q熱)
ウイルス性
合併症あり
アルコール依存症:
S. pneumoniae
,
H. influenzae
COPD:
H. influenzae
,
M. catarrhalis
,
S. pneumoniae
脳血管障害後の誤嚥性肺炎:口腔常在菌,
S. pneumoniae
気管支閉塞後:
S. pneumoniae
,嫌気性菌
第一選択
併存疾患なし:65歳未満,その他の点では健康,最近の抗菌薬使用なし
AMPC
1g経口1日3回・5~7日
DOXY
100mg経口1日2回・5~7日
併存疾患あり(たとえば,慢性の心臓,肺,肝臓,腎臓の疾患;糖尿病;アルコール依存症;悪性新生物;喫煙),直近3ヵ月以内の抗菌薬治療
[(
AMPC/CVA
875mg/125mg経口1日2回,または
CPDX-PR
200mg経口1日2回,または
CXM-AX
500mg経口1日2回)・5~7日+(
AZM
500mg経口1回,その後250mg1日1回・4日,または
CAM
500mg経口1日2回・5~7日)]または
LVFX
750mg経口24時間ごと・5日
第二選択
併存疾患なし
地域の
S. pneumoniae
マクロライド耐性率<25%なら,
AZM
500mg経口1回,その後250mg経口24時間ごと・4日,
CAM
500mg経口1日2回または
CAM
徐放錠†1g経口24時間ごと・7日
併存疾患あり
MFLX
400mg経口24時間,または
Gemifloxacin
320mg24時間ごと・5~7日
[(
AMPC/CVA
875mg/125mg経口1日2回,または
CPDX-PR
200mg経口1日2回,または
CXM-AX
500mg経口1日2回)+
DOXY
100mg経口1日2回]・5~7日
(†:日本にない剤形)
治療期間
治療期間
治療期間は臨床的安定性(たとえば,バイタルサインの正常化)に基づいて決まる:5日治療して臨床的安定が得られない場合は,予後が悪くなる可能性が高く,治療の見直しが必要となることがある.
5~7日の抗菌薬治療の効果は,より長期間の治療と同等.
通常最低5日間の治療が必要だが,新たなデータによると,3日目までに臨床的に十分に安定している患者は,3日間の治療で十分である可能性がある.
臨床的に安定:体温≤37.8℃,心拍数<100bpm,呼吸数<24/分、室内気での動脈血酸素飽和度>90%,収縮期血圧>90 mmHg,精神状態正常(N Engl J Med 389: 632, 2023およびIDSA CAPクリニカルパスを参照)
抗微生物薬適正使用
編者らは,併存疾患のある成人外来患者が呼吸器ウイルス検査で陽性となった場合には経験的抗菌薬を処方するという米国胸部学会の推奨(
Am J Respir Crit Care Med 2025年7月8日
)を支持しないというIDSAの決定(
Clin Infect Dis 2025年12月4日
)に賛同する.
呼吸器ウイルス検査で陽性となったCAP患者のほとんどは,細菌による重複感染を呈していない.
抗菌薬を処方するかどうかを決定する際に,疾患の重症度,臨床的特徴,細菌による重複感染の有無を考慮に入れた個別化アプローチが安全であると考えられる(
Clin Infect Dis 2025年12月11日
)
コメント
最新のATS/IDSA CAPガイドライン:
Am J Respir Crit Care Med 200: e45, 2019
.
総説論文:
N Engl J Med 389: 632, 2023
.
AZM/CAM:心臓不整脈薬のリスクがわずかに高いため,心血管疾患が背景にある患者では他の選択肢を考慮すること.
βラクタム薬は非定型病原体に対しては活性がない.
Mycoplasma
のマクロライド耐性が増加しているために,
Mycoplasma
感染に対してはDOXYが選択薬となる(
J Infect 69: S42, 2014
).
LVFXまたはMFLX
非定型病原体およびPRSP(ペニシリン耐性
S. pneumoniae
)を含む定型細菌に対し,活性があり臨床的に有効.
低/高血糖症,QTc延長,FQ使用に関連した大動脈瘤,解離または破裂,
C. difficile
腸炎の可能性あり
Lefamulin,Omadacycline,Delafloxacinは最近FDAによりCABPに対して承認されたが,これらの薬価の高い薬が他の薬剤以上の有用性があるかは不明.
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2026/03/31