日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

COVID-19-予防  (2020/7/29 更新)
ワクチン開発・供給


はじめに

  • SARS-CoV-2の遺伝子配列が発表されたのは2020年1月11日であった.
  • 発表後2日以内にいくつかのワクチン候補(抗スパイク(S)タンパク)が作製された.
  • 現在まで少なくとも115のワクチン候補が開発され,そのうち78の活性が確認されている.
  • ワクチンには以下のような種類がある:
  • RNA
  • DNA
  • ウイルス様粒子(VLP:virus-like particle)
  • ペプチド
  • ウイルスベクター(複製型および非複製型)
  • 組換えタンパク
  • 弱毒化生ウイルス
  • 不活化ウイルス
  • RNAおよびDNAワクチンは,迅速,大規模に生産(scale-up:規模拡大)できる可能性がもっとも高く,抗原操作もしやすい.ウイルスベクターはタンパク発現と安定性のレベルが高く,強い免疫反応を引き起こす.組換えタンパク技術は多くの既存疾患に対して広く用いられているため,すでに多くの使用実績と生産能力がある.

ワクチン開発・提供

  • 現在臨床試験中のもの
基盤/候補のタイプ
開発段階
製造者
コメント
脂質ナノ粒子カプセル化mRNA

mRNA-1273
第I相 NCT042834161
Moderna/NIAID
Sタンパクをコード.18~55歳の成人45例を対象とした用量漸増試験における2用量処方の予備的な報告(N Engl J Med 2020年7月14日).CD4 T細胞反応とともに高力価の特異的中和抗体が用量反応性に認められ,安全性プロファイルも許容できるものだった.
チンパンジーアデノウイルスベクター

ChAdOx1 n-Cov-19
第I/II相
Oxford/Astra Zeneca
SARS-CoV-2のSタンパクを発現.髄膜炎菌ワクチンを対照とした単盲検ランダム化比較試験(参加者1077例)で,プライムブースト法により特異的抗体とT細胞が認められ,安全性プロファイルも許容できるものだった(Lancet online 2020年7月20日).
アデノウイルス5型

Ad5-nCoV
第II相 ChiCTR2000031781
第I相 ChiCTR2000030906
CanSino Biological Inc./Beijing Institute of Biotechnology
複製欠損ウイルスベクター.Sタンパクを発現.第II相二重盲検プラセボ比較試験(参加者603例)において,2種類の単回投与処方(ウイルス粒子1×1011/mLまたは5×1010/mL)がプラセボと比較され,安全性とともに,抗体および細胞性の両方の有意な免疫反応が報告された(Lancet online 2020年7月20日).
DNAプラスミドワクチン
エレクトロポレーション法

INO-4800
第I相 NCT04336410
Inovio Pharmaceuticals
同じ技術が,ラッサ熱,ニパウイルス,HIV,フィロウイルス,HPV,ジカ熱,HBVのワクチン候補でも用いられている.
不活化SARS-CoV-2ウイルス(Vero細胞で培養)
第I相 ChiCTR2000031809
Beijing Institute of Biological Products/Wuhan Institute of Biological Products
不活化SARS-CoV-2ウイルス
脂質ナノ粒子カプセル化mRNA

BNT162b1
第I相

第I/II相 NCT04368728
BioNTech


Pfizer
Sタンパク三量体を発現

第I相試験で強力な中和抗体反応が示された

WHOウェブサイトのリストによれば,少なくとも70種の他のワクチン候補が前臨床開発段階にある


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