日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

COVID-19ワクチン アストラゼネカ  (2022/03/01 更新)
Vaxvevria, AZD1222またはChAdOx1, Covishield(インド)


接種

ワクチン
  • COVID-19 ワクチン アストラゼネカ
使用許可
  • Health Canada,EU EMA認証,英国,WHO EUL認証,オーストラリアTGA認証
  • FDA による緊急時使⽤許可(EUA)の時期は不明
年齢
  • ≧18歳.12〜17歳での臨床試験は現在中断中.⾎栓症の副反応のため,多くの国は60歳以下の成⼈には使⽤していない.
タイプ
  • ⾮複製チンパンジーアデノウイルスベクター
初期接種
  • 0.5mL筋注︔4〜12週あけて2回接種(英国およびEU),⽶国では4週の臨床試験,WHO EULでは8〜12週
追加接種
  • 適応なし.追加接種はmRNAワクチンの使用が一般に推奨されている.
他のCOVID-19ワクチンとの交換可能性
  • CDCは,年齢≧18歳(中等度または重度の免疫不全者で追加的初期接種を受けた人を含む)で,米国FDAが許可/承認していないWHOのEUL認証ワクチンでのワクチン接種を完了した人,あるいはFDA許可/承認ワクチンまたはWHOのEUL認証ワクチンによる異種ワクチンの接種を完了した人は,モデルナおよびファイザーワクチンに関する現行のガイドラインの推奨年齢であれば,初期連続接種から最短6カ月後にファイザーワクチン(0.3mL;30μg)の追加接種1回を受けてよいとした.実際には,どちらのmRNAワクチンも追加接種として使用可能である.
保管
  • 2〜8℃で4〜5カ⽉.開封後は2〜25℃で6時間保存.

効果

有症性感染に対する全般的効果
  • 76%(⽶国の試験︔33,000例).複数の臨床試験を統合した不均質な結果を⽤いた英国の承認では62%であった.1回⽬の接種から12週以降に2回⽬の接種を⾏った場合は82.4%.
  • デルタ株以前の第III相試験では,症候性感染に対して全効果が確認されている.ベータ株,ガンマ株に対する特異的なワクチン効果(VE)のデータは,現在では妥当でない.
入院に対する現実的効果
  • デルタ株による有症性感染に対するVEは60%だが,アルファ株に対するVEは66%.
年齢>65歳
  • 80%
小児
  • 承認されていない
重症化/死亡に対して
  • 第III相試験で約100%(デルタ株以前)
無症候感染/伝播に対して
  • 65%(デルタ株以前)
最終接種後の効果持続期間
  • 特に免疫不全患者や⾼齢者でのデルタ株に対する有効期間は不明であり,懸念がある.

毒性

禁忌
  • ワクチンの含有成分に対するアナフィラキシー反応
警告
  • <50歳の⼥性には,アストラゼネカワクチンについて,まれではあるが血栓や⾎⼩板減少を伴う⾎栓症症候群(TTS)のリスクがあること,それに代わるCOVID-19ワクチンの選択肢もあることを知らせ,接種担当者とワクチン選択の議論に参加してもらう必要がある.
禁忌でない場合
  • データなし
副反応
  • 注射部位の痛み,倦怠感,頭痛,発熱,衰弱
  • ヨーロッパのワクチン接種者で,TTS が1︓25,000〜1︓100,000.

特に注意が必要な患者集団

妊婦
  • 不明
免疫不全/HIV
  • データ不十分
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top
2022/03/08