日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

弧虫症  (2024/01/09 更新)


臨床状況

  • 条虫の幼虫による寄生感染症:Spirometra 属(たとえば,S. mansonoides)およびSparganum proliferum(多臓器に感染することがある)
  • 世界中でみられるが,東アジアおよび東南アジアでもっとも多い.
  • 明らかな宿主はイヌとネコ:中間宿主はカエル,ヘビ.ヒトは副中間宿主であり,幼虫の段階で感染する.
  • 汚染された水中の微小甲殻類あるいは調理していない中間宿主の摂取.湿布として使われたカエルやヘビの肉から幼虫が皮膚に浸入することがある.
  • 幼虫は皮下組織,乳房,眼窩,尿道,胸腔,肺,内臓,中枢神経系など,体のあらゆる臓器に移行しうる.
  • スキャンでは悪性脳腫瘍に類似することがあるが,直接の眼底検査では眼窩の幼虫が大きくみえる.

病原体

  • Spirometra mansoni(以前に報告のあったS.ranarumは,実際にはS.mansoniだった)
  • Spirometra decipiens
  • Sparganum proliferum
  • Spirometra erinaceieuropaei
  • Spirometra folium

第一選択

  • 抗寄生虫薬による治療なし.
  • 外科的切除.頭節を除去する必要がある.

第二選択

  • S. proliferumには皮下腫瘤へのエタノールまたはChymotrypsinの注入

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2024/01/08