日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ライノウイルス-風邪  (2022/7/19 更新)


臨床状況

  • 一般的な風邪

病原体

  • ライノウイルス

第一選択

  • 対症療法
  • 臭化イプラトロピウム鼻スプレー(左右の鼻孔に2噴霧ずつ1日3回)
  • クレマスチン(1.34mg)1~2錠経口1日2~3回(市販薬)
  • 亜鉛製剤鼻腔内投与は不可逆的な嗅覚消失と関連するため,使用しないこと.
  • 薬物治療または非薬物治療は,風邪による咳の持続期間,重症度減少において臨床的に意味のあるエビデンスはあるか?ランダム化比較試験のシステマティック・レビューを参照:Chest 152: 1021, 2017.要約すれば,一般に用いられている治療法に強固なエビデンスはない.

第二選択

  • なし

コメント

  • 症状軽減:イプラトロピウム鼻スプレーはプラセボに比べ鼻汁,くしゃみを減少させる (Ann Intern Med 125: 89, 1996).
  • クレマスチン(抗ヒスタミン薬)によりくしゃみ,鼻汁は減少するが,6~19%で鼻・口腔・喉の乾燥状態が出現(Clin Infect Dis 22: 656, 1996).
  • 公衆衛生勧告では,亜鉛を含む3種の市販風邪薬(例えばZicam)について,不可逆的な嗅覚消失に関する複数の報告があるため,使用すべきでないとしている.
  • COVID-19流行によるマスク使用の普及によりインフルエンザ,RSVおよび風邪の発症率が大幅に低下した
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2022/07/14