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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ライノウイルス-風邪
(
2022/7/19 更新
)
臨床状況
一般的な風邪
市中肺炎の小児の1/2で検出される.病因への関与は不明(
Clin Infect Dis 39: 681, 2004
).
重症の下気道感染の小児でライノウイルスが高率で同定される(
Pediatr Infect Dis J 28: 337, 2009
).
Lancet 361: 51, 2003
を参照.
病原体
ライノウイルス
第一選択
抗ウイルス治療は不要(
Pediatr Ann 34: 53, 2005
).
対症療法
臭化イプラトロピウム鼻スプレー(左右の鼻孔に2噴霧ずつ1日3回)
クレマスチン(1.34mg)1~2錠経口1日2~3回(市販薬)
亜鉛製剤鼻腔内投与は不可逆的な嗅覚消失と関連するため,使用しないこと.
薬物治療または非薬物治療は,風邪による咳の持続期間,重症度減少において臨床的に意味のあるエビデンスはあるか?ランダム化比較試験のシステマティック・レビューを参照:
Chest 152: 1021, 2017
.要約すれば,一般に用いられている治療法に強固なエビデンスはない.
第二選択
なし
コメント
症状軽減:イプラトロピウム鼻スプレーはプラセボに比べ鼻汁,くしゃみを減少させる (
Ann Intern Med 125: 89, 1996
).
クレマスチン(抗ヒスタミン薬)によりくしゃみ,鼻汁は減少するが,6~19%で鼻・口腔・喉の乾燥状態が出現(
Clin Infect Dis 22: 656, 1996
).
公衆衛生勧告では,亜鉛を含む3種の市販風邪薬(例えばZicam)について,不可逆的な嗅覚消失に関する複数の報告があるため,使用すべきでないとしている.
Echinaceaは無効(
Clin Infect Dis 38: 1367, 2004
;
Clin Infect Dis 40: 807, 2005
).
COVID-19流行によるマスク使用の普及によりインフルエンザ,RSVおよび風邪の発症率が大幅に低下した
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2022/07/14