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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ノロウイルス
(
2024/07/02 更新
)
臨床状況
非細菌性胃腸炎の集団発生の原因として最も多い(90%)(
N Engl J Med 368: 1121, 2013
).
すべての急性胃腸炎のうち18%で関連している(
Lancet Infect Dis 14: 725, 2014
).
汚染された食物,汚染されたものの表面や媒介物に触れたことによる糞口感染.
悪心・嘔吐/水様下痢が突然に発症し12~60時間続く.
感染予防にアルコール消毒液による手洗いが有効であるかは不明(
Am J Infect Control 39: 296, 2011
;
J Hosp Infect 60: 144, 2005
).
免疫不全者では長期の感染(数週から数年)を引き起こすことがある(
N Engl J Med 367: 2126, 2012
).
遺伝子組み換えが起こったウイルスの出現によりウイルスの遺伝的多様性が広がり,免疫回避が増えつつある(
Lancet Infect Dis 18: 545, 2018
).
無症候性感染の統合有病率は約20%.無症候性感染は,特に症例多発時の感染伝播に重要な役割を果たす可能性がある(
BMC Infect Dis 23: 595, 2023
).
診断/病原体
診断
RT-qPCRによる診断(便,嘔吐物,食品,水,環境検体).
酵素免疫測定法は感度が低い.
病原体
ノロウイルス (カリシウイルス科)
第一選択
抗ウイルス治療なし.
水分補給を繰り返す.
第二選択
なし
コメント
感染力が高く,多くの殺菌剤に耐性がある.漂白剤による洗浄は効果的である.
管理と予防に関するCDCのガイドラインを参照:
MMWR Recomm Rep 60(RR-3): 1, 2011
.
血液型がO型の人はより感染しやすい (
Nat Med 9: 548, 2003
).
血液型がBまたはAB型の人は有症状感染に一部抵抗性がある可能性がある(
J Infect Dis 188: 176, 2003
).
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2024/07/01