日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ノロウイルス  (2024/07/02 更新)


臨床状況

  • 汚染された食物,汚染されたものの表面や媒介物に触れたことによる糞口感染.
  • 悪心・嘔吐/水様下痢が突然に発症し12~60時間続く.
  • 遺伝子組み換えが起こったウイルスの出現によりウイルスの遺伝的多様性が広がり,免疫回避が増えつつある(Lancet Infect Dis 18: 545, 2018).
  • 無症候性感染の統合有病率は約20%.無症候性感染は,特に症例多発時の感染伝播に重要な役割を果たす可能性がある(BMC Infect Dis 23: 595, 2023).

診断/病原体

診断
  • RT-qPCRによる診断(便,嘔吐物,食品,水,環境検体).
  • 酵素免疫測定法は感度が低い.
病原体
  • ノロウイルス (カリシウイルス科)

第一選択

  • 抗ウイルス治療なし.
  • 水分補給を繰り返す.

第二選択

  • なし

コメント

  • 感染力が高く,多くの殺菌剤に耐性がある.漂白剤による洗浄は効果的である.
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2024/07/01