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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
メタニューモウイルス
(
2023/10/03 更新
)
臨床状況
ヒトメタニューモウイルス(HMPV)は,パラミクソウイルス科で,軽症の細気管支炎・気管支れん縮から肺炎に至るまで,全年齢の患者で分離される.
2001年に発見された.
幼児に多い.
造血幹細胞移植患者では致死的な肺炎の原因となる(
Ann Intern Med 144: 344, 2006
).
高齢者の臨床像(
J Infect Dis 218: 868, 2018
)
看護施設で広がることが多い.
HMPVは感染者から次のような仕方で広がることが多い.
咳・くしゃみからの飛沫
密な個人的接触,触れる,握手するなど
ウイルスが付着したものあるいは表面に触れ,その後で口,鼻,眼に触れる.
総説:
Semin Respir Crit Care Med 32: 447, 2011
診断
核酸増幅検査は12種類の呼吸器ウイルス検出について承認されている(
xTAG Respiratory Viral Panel, Luminex Molecular Diagnostics
).
病原体
ヒトメタニューモウイルス(HMPV)
第一選択
証明された抗ウイルス治療はない.
第二選択
なし.
コメント
リバビリン静注†の散発的な報告があるが,結果は一定しない.リバビリン(エアロゾル吸入)は推奨されない.
実験的な治療法の研究が進められている.
Clin Vaccine Immunol 22: 858, 2015
を参照.
HMPVは,呼吸器感染症小児患者の6~21%から分離された(
N Engl J Med 350: 443, 2004
).
RSウイルスとの重複感染は重症細気管支炎を引き起こす(
J Infect Dis 191: 382, 2005
).
(†:日本にない剤形)
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2023/10/02