日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

パキロビッド(ニルマトレルビル+リトナビル)  (2023/10/17 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢≧12歳,体重≧40kg:ニルマトレルビル/リトナビル300mg/100mg12時間ごと・5日
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
1錠中の含有量
錠(Nir 150mg錠,RTV 100mg)
食事に関する推奨1
錠剤は食事の影響なし
経口吸収率2(%)
データなし
Tmax(時間)
Nir 3
RTV 3.98
最高血清濃度3(μg/mL)
Nir 2.21(150mf経口,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
でーたなし
蛋白結合(%)
Nir 69
RTV 98-99
分布容積3(Vd)
Nir 104.7 L(Vz/F)
RTV 112.4 L(Vz/F)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
Nir 6.05
RTV 46.15
排泄
Nir 腎
RTV 代謝(CYP3A4)
胆汁排泄5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC9(μg・時間/mL)
23.01(150mg経口,0~Inf)
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve,0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
Abemaciclib
Abemaciclib↑
併用を避ける
Alfuzosin
Alfuzosin↑
禁忌
アミオダロン
アミオダロン↑
禁忌
アパルタミド
ニルマトレビル↓,またはリトナビル↓
禁忌
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
禁忌
ベダキリン
ベダキリン↑
モニター,さらなる情報を求める
Bictegravir/エムトリシタビン/TAF
Bictegravir↑,TAF↑
モニター,さらなる情報を求める
ボセンタン
ボセンタン↑
併用を避ける
ブプロピオン
ブプロピオン↓,ヒドロキシブプロピオン↓
モニター
Ca拮抗薬
Ca拮抗薬↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
ニルマトレビル/リトナビル↓,カルバマゼピン↑
禁忌
セリチニブ
セリチニブ↑
禁忌
クラリスロマイシン
クラリスロマイシン↑
モニター,用量調整
クロザピン
クロザピン↑
禁忌
コルヒチン
コルヒチン↑
禁忌
コルチコステロイド
コルチコステロイド↑
併用を避ける
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター
ダサチニブ
ダサチニブ↑
禁忌
Didanosine
Didanosine↑
モニター,さらなる情報を求める
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
Dihydroergotamine
Dihydroergotamine↑
禁忌
Dronedarone
Dronedarone↑
禁忌
エファビレンツ
エファビレンツ↑
モニター,さらなる情報を求める
Elbasvir/Grazoprevir
抗ウイルス薬↑
モニター,さらなる情報を求める
エンコラフェニブ
エンコラフェニブ↑
併用を避ける
エルゴタミン
エルゴタミン↑
禁忌
エリスロマイシン
エリスロマイシン↑
モニター,用量調整
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↑
避妊にはホルモン薬以外の方法を用いる
フェンタニル
フェンタニル↑
モニター,用量調整
フレカイニド
フレカイニド↑
禁忌
Glecaprevir/Pibrentasvir
抗ウイルス薬↑
併用を避ける
イブルチニブ
イブルチニブ↑
併用を避ける
Isavuconazole
ニルマトレビル/リトナビル↓,Isavuconazole↑
併用を避ける

イトラコナゾール
ニルマトレビル/リトナビル↓,イトラコナゾール ↑
併用を避ける
Ivosedenib
Ivosedenib↑
併用を避ける
ケトコナゾール
ニルマトレビル/リトナビル↓,ケトコナゾール↑
併用を避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
マラビロク
マラビロク↑
モニター,さらなる情報を求める
Meperidine
Meperidine↑
禁忌
メサドン
メサドン↓
モニター,用量調整
メチルエルゴメトリン
メチルエルゴメトリン↑
禁忌
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ミダゾラム(注射)
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
Neratinib
Neratinib↑
禁忌
ニロチニブ
ニロチニブ↑
禁忌
Ombitasvir/Paritaprevir/RTV/Dasabuvir
抗ウイルス薬↑
モニター,さらなる情報を求める
フェノバルビタール
ニルマトレビル/リトナビル↓,フェノバルビタール↓
禁忌
フェニトイン
ニルマトレビル/リトナビル↓,フェニトイン↓
禁忌
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
ピロキシカム
ピロキシカム↑
禁忌
プロパフェノン
プロパフェノン↑
禁忌
Propoxyphene
Propoxyphene↑
禁忌
クエチアピン
クエチアピン↑
用量調整または避ける
キニジン
キニジン↑
禁忌
Raltegravir
Raltegravir↑
モニター,さらなる情報を求める
Ranolazine
Ranolazine↑
禁忌
リファブチン
リファブチン↑
モニター,さらなる情報を求める
リファンピシン
ニルマトレビル↓またはリトナビル↓
併用禁忌
リバーロキサバン
リバーロキサバン↑
併用を避ける
ロスバスタチン
ロスバスタチン↑
併用を避ける
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
シルデナフィル(肺動脈性肺高血圧に対して)
シルデナフィル↑
禁忌
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
シロリムス
シロリムス↑
併用を避ける
Sofosbuvir/Velpatasvir/Voxilaprevir
抗ウイルス薬↑
モニター,さらなる情報を求める
セイヨウオトギリソウ
ニルマトレビル/リトナビル↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター
トラゾドン
トラゾドン↑
モニター,用量調整
トリアゾラム
トリアゾラム↑
禁忌
ベネトクラクス
ベネトクラクス↑
併用を避ける
ビンブラスチン
ビンブラスチン↑
併用を避ける
ビンクリスチン
ビンクリスチン↑
併用を避ける
ボリコナゾール
ニルマトレビル/リトナビル↓,ボリコナゾール↓
併用を避ける
ワルファリン
ワルファリン↑↓
INRをモニター,用量調整
ジドブジン
ジドブジン↓
モニター,さらなる情報を求める
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top

2023/10/16