• Telithromycinはケトライド系（マクロライド系に類似）抗菌薬であり，軽症～中等症の市中肺炎（CAP）の治療に用いられる．多剤耐性S. pneumoniaeに活性．
  
• 重症筋無力症患者には禁忌．重症筋無力症を顕在化または悪化させる他の抗菌薬：アミノグリコシド系，ポリミキシン，フルオロキノロン系．
  
• 致命的な肝障害を起こすことがある．
  
• 調節遅延による視力障害．
  
• 肝臓，視力，筋無力に関わる合併症は，神経筋接合部にあるニコチン性アセチルコリン受容体の阻害による可能性がある（Antimicrob Agents Chemother 54: 5399, 2010）．
  

• 体重およびクレアチニンクリアランス（CrCl）推定値の計算法
  
• CAPD: 持続的携行型腹膜透析， CRRT: 持続的腎代替療法，SLED: 長時間低効率血液透析
  

肝障害患者では用量調整が必要なことがある

• CrCl＜30mL/分で肝障害を伴う患者では，400mg24時間ごとに減量する．それ以外では肝障害患者での用量調整は不要．
  

副作用

• 急性肝不全2例，重症肝障害23例が報告されており，1000万処方について23例の割合．治療中または治療開始直後に起こる（Ann Intern Med 144: 415；447, 2006）．
  
• まれ：調節遅延のための視力障害；重症筋無力症の悪化（Black Box warnings）．QTc延長のおそれ．
  相互作用を起こす薬物もある．N Engl J Med 355: 2260, 2006
  
• 悪心（7％），嘔吐（2％），下痢（10％），C. difficile腸炎，肝不全，頭痛（2％）．
  
• 一過性の意識喪失が報告されている：危険な活動は避ける．
  
• QTc延長および薬物相互作用の可能性．
  

妊娠時のリスク

• FDAリスク区分（旧）：C
  
• 授乳中の使用：おそらくは安全だが，モニターが必要．ただしデータはなく，可能ならば避ける
  

• 抗菌スペクトラム（全表）を参照
  
• Telithromycinの抗菌スペクトラムを表示

1. 注記のない場合は成人用経口製剤
   
2. SD：単回投与後，SS：複数回投与後の定常状態
   
3. V/F：（Vd）÷（経口生物学的利用能），Vss：定常状態におけるVd，Vss/F：（定常状態におけるVd）÷（経口生物学的利用能）
   
4. CrCl＞80 mL/分と想定
   
5. （胆汁中の最高濃度）÷（血清中の最高濃度）×100
   
6. 炎症時における脳脊髄液濃度
   
7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定．脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
   
8. AUC：血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the plasma concentration-time curve．0～inf＝AUC0-inf，0～ｘ時間＝AUC0-x
   

血清中薬物濃度への影響は，当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である．↑：上昇，↓：低下，空白：薬物への影響なし

• 2007年の安全性評価では，慢性気管支炎の急性細菌性増悪および急性細菌性副鼻腔炎，市中細菌性肺炎に対する処方のMedicatio Guide使用が除外された．
  
• 米国では現在市販されていない．