日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Enfuvirtide  (2021/2/16 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
90mg(1mL)皮下注12時間ごと
注入部位を変えて,炎症している箇所を避ける

 3. 小児用量

年齢6歳未満
使用は承認されていない
年齢6~16歳
2mg/kg(最大90mg)皮下注12時間ごと
年齢>16歳
90mg皮下注12時間ごと

 4. 腎障害時の用量調整

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
融合阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
90mg/mLバイアルを溶解し単独投与.
バイアルは室温で保存すること.
溶解したバイアルは24時間だけ冷蔵保存可能
通常成人用量
90mg皮下注12時間ごと
FDAの妊娠危険区分
B
経口剤の投与のタイミング1

皮下部位からの吸収率2(%)
84
最高血清濃度3(μg/mL)
5(SS)
蛋白結合(%)
92
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
3.8
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
構成アミノ酸への異化に伴い体内のプールアミノ酸の再利用が起こる.排泄経路の研究はヒトでは行われていない.
中枢神経系移行効果(CPE)5
1
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
5.5 L (Vss)
AUC8(μg・時間/mL)
97.4 (AUC 0-24)
チトクロームP450相互作用
不明
Tmax(時間)9
4~8
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

†:日本にない剤形

5. 主要な薬物相互作用

重要な薬物相互作用はない.

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2021/02/10