Bacitracin/Polymyxin B/Fradiomycin (2024/12/03 更新)
Triple Antibiotic Ointment(TAO)

Contents

1.　用法および用量

　1.　使用

BacitracinはStaphylococcus，Streptococcus，Clostridium属に活性がある．
ポリミキシンBはProteus属，Serratia属を除く好気性グラム陰性菌に活性あり．グラム陽性菌には活性なし．
フラジオマイシン（ネオマイシン）はグラム陰性菌，Staphylococcusに活性があるが，Streptococcusには活性がない．
上記3剤の合剤軟膏は，ムピロシン単独より広域なスペクトラムをもち，ムピロシン耐性株にも活性を有する可能性がある（Diagn Microbiol Infect Dis 54:63，2006）．
市中感染MRSAのUSA300クローンは18の分離株の50％がネオマイシン，Bacitracinの両者に耐性であることが判明（Emerg Infect Dis 17: 1917, 2011）：またTime-kill研究でもMRSAに対する殺菌力が低下していた（J. Antimicrob Chemo 62: 769, 2008）．

　2.　成人用量

Bacitracin	Bacitracin亜鉛軟膏500単位/g 患部に1日1～3回塗布
Bacitracin/ポリミキシンB軟膏（PolysporinR）	Bacitracin亜鉛 500単位/g；ポリミキシンB1万単位/g 患部に1日1～3回塗布
Bacitracin/ポリミキシンB/Neomycin (Neosporin)	Bacitracin亜鉛 400単位/g；ポリミキシンB 5000単位/g；Neomycin 3.5 mg/g 患部に1日1～3回塗布

　3.　小児用量

上記の成人用量を参照

　4.　腎障害時の用量調整

適応なし

　5.　肝障害時の用量調整

適応なし

2.　副作用

Bacitracin：接触性皮膚炎の発症率9.2％（Infect Dis Clin North Am 18:717，2004）．感作されている場合はアナフィラキシーのリスクあり．
Neomycin：接触性皮膚炎の発症率1％；吸収されると腎毒性，聴器毒性の危険性あり．

3.　抗微生物スペクトラム

軽度の皮膚感染症

4.　薬理学

データなし

5.　薬物動態

データなし

6.　コメント