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| サンフォードガイドNEWS 2026年6月 |
今月の注目論文(編集者セレクト)
Kami Kim, M.D.
ハンタウイルスのヒト-ヒト感染
- 2026年5月,アルゼンチン発クルーズ船の乗客の間で重症急性呼吸器感染症(SARI)の集団発生が報告された。最初の症状発現患者は船が出港してから2日後に発症し,現在までに10例が確認され,3例が死亡している。臨床検体のゲノム配列解析により,アンデスオルソハンタウイルス(ANDV)の存在が確認された。単一の動物由来感染経路に続いてヒト-ヒト感染が疑われている。
- Martinezら(N Engl J Med 2020;383:2230)は,2018年から2019年にかけてアルゼンチンのチュブ州で発生したANDVのヒト-ヒト感染に関する分子疫学的研究を発表しており,34例の感染と11例の死亡が確認されている。
- ANDVは,症例に占める割合は小さいが,ヒトからヒトへの感染が確認されている唯一のハンタウイルスである(Lancet Infect Dis 2024;24:775)。ほとんどのハンタウイルス感染症は,げっ歯類の唾液,尿,または糞便の吸入によって感染する。2018~2019年の症例多発で分離されたウイルスのゲノム配列解析では,人獣共通感染症のげっ歯類宿主からの単一の伝播と一致する高い配列保存性が示された。
- Martinezらによって報告された2018~2019年の症例多発では,3人の症候性患者が,混雑した社交イベントで「スーパースプレッダー」として活動し,33例の二次感染例のうち21例(64%)の感染源となった。
- 感染経路は,飛沫またはエアロゾル化したウイルス粒子の吸入によるものとされている。一次感染例における症状発現から二次感染例における症状発現までの平均期間は23±7日であり,潜伏期間は9~40日であった。
- ウイルス力価が高いこと,肝機能障害,血小板減少症に加え,社交的な集まりへの参加や濃厚接触が多いことは,感染伝播の可能性を高める要因であった。
抗微生物薬適正使用-知識とスキル
- 米国医療疫学会,米国感染症学会,小児感染症学会,および感染症薬剤師協会は,抗微生物薬適正使用(AMS)プログラムを主導するために必要な知識とスキルに関する最新の推奨事項を発表した。
- この文書では,急性期医療,外来,および長期療養施設におけるリーダー向けに,基礎,中級,上級スキルに関する提案と優先順位が示されている。知識とスキルはさらに,臨床感染症,介入,プログラム構築とリーダーシップの分野に細分化されている。
- AMSチームは,感染予防・管理や微生物学などの他の病院プログラムと連携し,リソースを共有し,実施手段について協力することが推奨されている。AMSプログラムは障壁に直面する可能性があり,これらの障壁を克服するための戦略が示されている。
- AMSリーダーは,補足資料にあるギャップ分析ツールを使用して,現在のプログラム構造と将来の目標に基づいて解決法を見定めることができる。Antimicrob Steward Healthc Epidemiol 6: e130, 2026
承認された新薬
- Bulevirtide-gmod(ヘプクルデックス):肝硬変のない成人または代償性肝硬変のある成人における慢性D型肝炎ウイルス(HDV)感染症の治療薬。Bulevirtideは,47個のアミノ酸からなる合成リポペプチドであり,肝細胞の形質膜上のHDV受容体であるタウロコール酸ナトリウム共輸送ポリペプチド(NTCP)に結合することでHDV感染を阻害し,HDVのNTCPへの結合を阻害する。通常用量は8.5mg1日1回皮下注。
- セフェピム-ジデバクタム(ザイニッチ):感受性のあるE. coli,K. pneumoniae,Proteus mirabilis,Enterobacter cloacae complex,P. aeruginosaによる複雑性尿路感染症(腎盂腎炎を含む)の成人用治療薬。セフェピム・ジデバクタムは,第4世代セファロスポリン系抗生物質であるセフェピムと,β-ラクタマーゼ阻害剤であり非β-ラクタム系抗菌薬であるジデバクタムの配合剤である。Ambler分類A(例:KPC),B(例:NDM,VIM,IMP),C(例:CMY),およびD(例:OXA-48様)のβ-ラクタマーゼを産生することが確認された腸内細菌科細菌株に対して,in vitroで抗菌活性を示す。通常用量は,3g静注(1時間以上かけて)8時間ごと。投与量はセフェピムとジデバクタムの合計量(2:1の比率)で表記される。
- エンシトレルビル(ゾコバ):成人および12歳以上の青少年において,COVID-19感染者との接触後のCOVID-19曝露後予防(PEP)に使用される。エンシトレルビルは,SARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(Mpro)(3C様プロテアーゼ(3CLpro)または非構造タンパク質5(nsp5)プロテアーゼとも呼ばれる)阻害剤である。通常用量は,感染者との接触後72時間以内にできるだけ早く開始し,1日目に375mg経口,2~5日目は125mg24時間ごと。エンシトレルビルはCYP3Aおよび複数のトランスポーターの基質および阻害剤であるため,薬物相互作用が問題となる。125mg錠として入手可能。
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